餃子関連雑誌、テレビに引っ張りだこの「亀戸餃子」。
亀戸ッ子ならば、メディア登場後に出現する、
お決まりの”大行列”を目にしたことがあるのでは?
「亀戸餃子、今日も行列だったねー」
なんて会話をよく耳にするが……
実際、亀戸餃子を食べたことはありますか?
お好きですか?
好みは分かれるところだと思いますが、
亀戸でメディアに取り上げられる頻度としては、
トップ3に入るであろう亀戸餃子。
その人気の理由とは一体なんなのでしょうか?
餃子一本で勝負!
亀戸餃子が注目される理由のひとつに、
餃子に特化している点が挙げられるでしょう。
”コロンブスのたまご”のごとき、単品商売。
世の中に餃子専門店は数あれど、
ライスはおろか、サイドメニューを一切置かない店は稀有であろう。
”わんこ”形式を採用!
さらに驚かされるのが、
唯一の商品である餃子は、
客が着席するや否や二皿のオーダーが確定することだ。
一皿を食べ終えれば、何も言わずとも、二皿が速攻で提供されるのだ。
マウントをとられるようなこのスタイルが、
ファストフードなどの過剰なホスピタリティに慣れた現代人には、
新鮮で心地良いのかもしれない。
熟練スタッフによるオペレーション
亀戸餃子で働くスタッフは、
ほとんどが十うん年、いや、うん十年選手の方々。
テレビ放映後、亀戸の藤まつり、週末など、
繁忙日であろうが、
店内がバタつくことや、
長時間提供が滞ることは稀だ。
むしろ、そんな戦場のような日であろうとも、
二皿目のタイミングがジャストであることさえあるのだ。
珍酒がある
亀戸餃子にはサイドメニューがないことは前述の通りだが、
酒に限ってはその通りではない。
老酒(ラオチュウ)などは有名なほうで、
五加皮(ウカッピー)や白乾(パイカル)、山楂酒(サンザシシュ)など、
聞き馴染みのない酒がメニューに並ぶ。
いずれも餃子と合う酒なので、
亀戸餃子に来た際には、ぜひお試しいただきたい。
スーパードライが新鮮!
これはほとんど知られていない情報。
亀戸餃子の瓶ビールは新鮮なのだ!
このラベルを撮影したのは6月下旬のことであるが、
ラベルに記された製造年月日も「6月下旬」。
つまり、作ってすぐに出荷されて亀戸餃子に届き、
ストックすることなく提供されているということだ。
亀戸餃子の二代目である石井店主曰く、
「亀戸餃子はアサヒさんとの付き合いが長いんです。
そして、創業時から餃子とビールの注文が多く、
1日のビール消費量は相当な数になります。
こちらからお願いしたわけではないのですが、
アサヒさんのご好意で、
当店には、工場から直接ビールが届くようになって。
この界隈で、工場直送のスーパードライを見つけることは至難だと思います。
ぜひ、餃子と合わせて、新鮮なスーパードライを楽しんでください」
いかがだろう、
もう瓶ビールしか頼めなくなったのでは?
売り切れ御免!
亀戸餃子ならではのスタイルが、
”売り切れ次第、閉店”というものだ。
閉店時間に餃子が余っていることは、まずない。
(むしろ閉店という概念がないともいえる)
亀戸餃子では、
閉店近くになると、
客からの注文を受け付け、
そのタイミングで着席している方々がオーダーするであろう数量を把握する。
そして、あと何人を迎えることができるか。
つまりこれから入店する客数×2皿を弾き出す。
そして、カウントダウンが始まる。
閉店間ぎわは、石井店主自らが司令塔となり、
「あと10皿!」
「あと4皿!」
「終わり!」
と店内に声がけをしていく。
この光景を目撃できることは運次第であるが、
実に爽快な光景である。
亀戸餃子はやっぱりスゴかった!
いかがだろうか。
餃子一筋60年余の亀戸餃子。
地元・亀戸では当たり前すぎの存在だが、
メディアをはじめ、
観光で訪れる人や、餃子フリークが一目を置く価値は、
変わらぬ”スタイル”にあるのではないだろうか。
「亀戸餃子ってどうなの?」
亀戸ッ子なら尋ねられたことがあるであろうこの質問に、
胸を張って答えたいものである。
亀戸餃子 本店
東京都江東区亀戸5-3-4
03-3681-8854